2010年7月14日水曜日

Bronzini (ブロンツィーニ)と値札にある魚

この写真はカルフォルニア州バークレーにある食料品店の鮮魚コーナーのもの。写真中央の魚には”Bronzini (Sea Bass)$12.99/#" と書かれた値札が提示されている。魚名だとすればBronzini とはイタリア語で、学名Dicentrarchus labrax と言うスズキに似た魚のこと。英語では、European Sea bass, Mediterranean Sea bass というらしいが英国語か米国語か何語か不明。
この魚、イタリアの主要な地方名だけを挙げても、Branzino(イタリア北部)、Spigola(イタリア半島部分) 、Ragno(トスカーナ地方の沿海) の3つある。更に、ノルウェイ北部を除くヨーロッパ沿海はもとより地中海全域に生息するため、北アフリカを始め黒海沿岸のアジア圏までを含む広い地域で名称が異なるようだ。決定打を探している内に、延々と地方名を列挙したページを見つけたので興味のある方はクリックして見て下さい。ちなみに日本のスズキにそっくりな写真を掲載したこのページによると、日本での名称を”Giapponese - Hata”としているように読めるのですが・・・、幾らなんでもスズキそっくりの魚を”ハタ”とは呼ばないでしょう。 スズキとタイリクスズキ同様にスポット模様がある近縁種もいたり、陸封型やその逆までいるとなると、その複雑さは大変なものと考えられる。
更に食材だけ産地ブランドと魚名が混じり、シロシタカレイ、エドマエアナゴ、アカシダイという魚がいると思っている人があらわれたりするのだろう。
これらの魚は、大分県の日出城下の海で獲れたマコカレイ、江戸前で獲れたアナゴ、明石海峡で獲れた鯛などを指すのが正解と思われるが、ブランド管理能力の高低によっては、どこの海で獲れた魚だろうがブランド地域の漁港から出荷されたものを指すケースもあるのだろう。


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